土佐食彩物語[高知県食品産業協議会]：食品関連企業の美味しい商品をご紹介

　室戸の“室戸海洋深層水マリンゴールド（海洋深層水ミネラルウォーター）”は、今でこそ知名度は全国的にもかなり高まっていますが、深層水が話題に取り上げられ、ここにくるまでに、土佐の男のロマンと海洋深層水ミネラルウォーター誕生への物語があります。
　海は、まだまだ調査の手が入っていない未知の世界が広がっています。そこに、はてしなき挑戦とロマンを感じ自分の信じるものにひた向きな情熱を持っていたからこそ、世界で初の海洋深層水ミネラルウォーターが製品化され、地元であるこの高知県室戸から発信することが出来たのです。
　まだ、誰も販売目的としては着目されてなかった深層水。ましてや当時まだペットボトルのお茶や水を買うという意識が低かった時代に、この未来を見据えて挑戦してきた私たちは龍馬魂を持つ土佐人だったのです。

　世界初の海洋深層水ミネラルウォーター“マリンゴールド”が開発され市場デビューしたのは平成7年でした。その開発には1年前から着手していたものの、問題にずいぶんとぶつかりました。特に苦労した点は、ラベルにありました。
　それは、「海洋深層水ミネラルウォーター」という商品名で売り出そうとしたけれど、厚生省のミネラルウォーターの定義は“地下水であること”となっており、海洋深層水では、いくら深い所から取水しても地下水ではないのでミネラルウォーターではないということでした。
　また、その他から成分などについても様々な批評があがってきました。
　私たちは、食品衛生法の検査を通して安全性等についても明確にし、県知事の協力もあって1つ1つをクリアすることができました。
　現在ではおかげさまで、多くの企業にこの深層水の良さを認めて頂き、これを利用した様々な商品開発が行われております。

　また、そんな苦労を乗り越えた昨今は、高知県室戸発の海洋深層水が、新聞、テレビ、雑誌などを通じて全国に情報発信されるようになり、海洋深層水商品群が次々と全国のマーケットに登場し、大きな反響を巻き起こすほどの深層水ブームでもあります。こうなると、類似商品が次々に出回るようになり新たな苦労もあったのですが、本物をお届けするために高知県では室戸海洋深層水のブランドマーク（平成13年4月　商標登録第４４６５７９０号 第４４９１４３２号）が制定さています。
　でも、やっぱり創業者としては1番最初に取り組み、ここまで成功させたことは本当に意味があったと思うし、なにしろ2番では、面白くないです(笑)。
　これまでたくさんの苦労がありましたが、常に自分がすばらしい水だと確信して前向きに進んできたことを思うと、夢を持っていれば必ず出来るものなんですね。

　それから注目するのが成分についてです。水についてミネラル成分・軟水・硬水など耳にすると思います。
　まずミネラルとは５大栄養素の一つで、体内に欠かせないものです。例えばビタミンもその一つですが、ビタミンは元素が構成されてつくられているのに対し、ミネラルは元素そのものを指し、体内ではつくることが出来ないので食物や水から摂取する必要があります。
　体内に存在する主なミネラルでは、カルシウム、リン、カリウム、硫黄、塩素、ナトリウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロムなどがあり、これを微量元素といいます。
　またミネラルウォーターは、水分中の溶解しているミネラル成分などの量によって硬水・軟水のタイプに分類されます。
　硬度とは、１リットル中に含まれる、カルシウムとマグネシウムの合計を数値化したもので下の計算式で表されます。
硬度＝（カルシウム量×2.5）＋（マグネシウム量×4）
　硬度の分類には色々な基準がありますが、100mg/リットル以下が軟水、300mg/リットル以上が硬水、その中間が中硬水とされています。一般的に国産のミネラルウォーターは軟水が多く、外国産のミネラルウォーターは、硬水が多いと言われています。
　マリンゴールドは、このようなミネラル成分（微量元素）をバランスよく含有しており、味も大変おいしいとされている硬度の低い軟水なのです。商品の中にはミネラルバランスをこわすことなく硬度を高くした“マリンゴールド硬度300”がありますが、こちらはミネラルを摂取するのに大変効率的です。
なお、日本料理には軟水が向いており、洋風料理には硬水がむいているとされています。

　海洋深層水は、光すら届かない深海を流れており、陸上水からもたらされる細菌や大気中の汚染物質などに汚染される機会が少ないので清浄性が高く、水温が年間を通じて約９.５℃と安定しているため、水温の変化による水質の変化が起こりにくくなっています。そして、高水圧下で長い年月をかけて熟成され、現代人に不足しがちな必須微量元素や様々なミネラルがバランスよく含まれています。
　私たちは、そんな海洋深層水を太陽光や大気に触れにくい環境を整えるため、室戸のアクアファーム（取水施設）に隣接して工場を設置したので、水深374mから取水された室戸海洋深層水を直接パイプラインで工場内に引き込んで製造することができているのです。
　どうですか！この徹底したこだわり具合。こだわりにこだわりぬいた製品を、「皆様のお手元に安全にお届けしたい」という思いを私たちの合言葉として自信をもってご提供させて頂いています。

　浅川社長の物語は、いまでは地場に大きな貢献をもたらしています。
こんなことがありました。以前テレビで「こんなものいらない」というタイトルコーナーに取り上げられた公園が室戸にあります。そこは人通りも無ければ遊具も無い公園という名の広場があり、税金の無駄遣いではないかというものでした。
　しかし、毎年8月14日室戸海洋深層水の日と題し、海洋深層水フェスタを開催するようになると、「こんなものいらない」と報道されたその公園に、観光客5,000人（地元選出の国会議員、高知県知事、市長他含め）を集客したのでした。
　歌あり、踊りあり、組立式のプールに魚を泳がせると、子どもたちが泳いでそれを捕まえて持ち帰りOKだったり、様々な催しがあり、室戸の一大イベントとして年々有名になっています。
　この物語はまだまだ世界に向けて続きます。