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土佐食彩物語

地元こだわり物語「土佐清水から全国へ」[土佐食株式会社]:宗田鰹の加工製品の製造、販売(高知県土佐清水市)

野村明さん

野村明さん

今回、お話をうかがったのは、土佐食株式会社 代表取締役 野村明さん、営業部 課長 細井直樹さんです。 土佐食株式会社は、高知県のもっとも西部の土佐清水市にあり、なんと高知市から車で3時間はかかります。土佐清水市は漁業がさかんですので、特に地元でとれる宗田鰹にこだわって商品開発をしておられます。

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土佐食株式会社とは

高知県産のおいしい生姜 安定供給に自信あり!

工場

弊社は、土佐清水市の第3セクターの会社です。先代の平林社長と現在の野村社長が作った商品『姫鰹スティック』を柱に営業をしております。基本的には土佐清水市の特産品として開発したもので、ほとんどがおみやげ物として購入される方が主でした。しかし、近年の産地偽装事件以来は、国産品の安全で安心な商品の良さが見直され、そういったお客様が日常の家庭向けとしても購入していただけるようになってきていますので、今後はおみやげ物としてだけではなく、一つの食品であるという視点から全国的にも販売していくことを目指しております。

姫鰹スティックができるきっかけ

姫鰹スティックができるきっかけ

土佐清水市の産業では、主に宗田節といって、だし汁に使用する節を製造していることが有名でした。先代の社長だった平林が、宗田節になる『めじか』という魚が年間通して1万トン弱、漁獲されるのですが、最も多く獲れる時期が5月・6月に集中して、約3千トンもの水揚げ量になります。しかし、その最も獲れる時期の宗田鰹は、非常に脂がのっており、そのような鰹では、あまり味の良い宗田節はできないのです。
そのため、漁師が漁に出ると、たくさん釣れても価値が低いので、生活の糧にならないという状態でした。当時は、『めじか』を宗田節以外に加工することが無かったのです。
同じ頃、高知県の工業技術センターで食品開発をしていた野村が、当社へ勤める事になり、この大量に取れる魚で何かできないものかと考え、「姫鰹スティック」ができるきっかけとなりました。
実は、当時、土佐清水市の地元では、この『めじか』を宗田節に加工するのみで、他に調理をして食べるような魚ではないという見方をされておりました。地元では他にもおいしい魚がたくさん獲れていましたので、なにもわざわざ宗田鰹を加工しなくても良いという意見もあったと思われます。そのため、商品である「姫鰹スティック」が完成しても、地域の人はどちらかというとあまり関心がなかったようです。

このような逆境はありましたが、徐々にこれが売れるようになると価値が見直され、地元の生活もうるおうだろうと思い、県外への販売に力を入れました。
先代の社長は県外へ売り歩くにも、あちらこちらへと本当に苦労して営業に行かれておりました。最初は、やはり知らない商品を見て認めてもらうことは大変でしたが、徐々に置いていただき売れるようになって、ここ数年はおかげさまで認知度もだいぶ上がってきました。

姫鰹スティックができるきっかけ

それにしても、商品化のメインとなる宗田鰹を用いた開発では苦労する点があります。宗田鰹というのは、旨味や、体に良いとされる成分は多く含まれているのですが、それに相反して宗田鰹の特色でもある独特な香りがあるのです。食べ慣れていない人にとっては、臭いとしてとらえられ、苦手とする人もいらっしゃいます。そのため万人においしいと思っていただけるような味にしていくことが難題ではありますが、万人に受けない商品であったとしても、個性と言えるプラス的要素が引き出せるような商品づくりをしていこうと頑張っております。現在の社長は、もともと農学博士でして、基本的な成分はすべて頭の中にインプットされています。そして弊社には四国でも2台しか無いという成分検査機があるのですが、それを使って成分などの調査をしてくれたり、難しい商品開発に力を注いでいます。

龍馬伝を機に

今年は、NHKの大河ドラマ『龍馬伝』の放送に併せて、県外からの注文は増加しております。なので、この機会に「姫鰹スティック」をまだ見たことも食べたことも無いという方に、ぜひ食べていただきたいと思っております。またコンビニなどでは、おつまみとして人気の高いスルメやピーナッツなどのように、『姫鰹スティック』も鰹の珍味として一般消費者に認知していただけるようにしていきたいと思っております。

龍馬伝を機に

一般化していくためには、日常の食卓にご利用いただけることを知って頂くことが重要かとおもいますので、営業の際には例えば、白菜の漬物に細かくして混ぜ合わせた物だったり、御味噌汁の具材として入れたりした物などを撮影して、写真を見せて商品の紹介しております。
そういった盛り上がりの中、高知といえば「鰹(かつお)」ですので、バイヤーやベンダーといった県外のお客様から、多数のお問い合わせをいただきます。
高知県内の商品は、正直なところ完全に生まれ(原材料)も育ち(製造)も「土佐」という品は少ないのです。どの県でもこのような事はあるかとは思いますが、原材料証明を取ると一目瞭然で、安定した量の原材料を確保する等のために、どうしても県外から仕入れることがあります。結果的に、生まれも育ちも土佐の食品は意外に少ないのです。しかし、どうしても土佐を売りにした商品を買い付けたいバイヤーやベンダーは、HPなどで商品を探されたところ、本鰹とは種類は異なりますが、宗田鰹を使用した弊社の「姫鰹スティック」なら、土佐清水の漁師が一本釣りで、しかも高知県の土佐清水市で獲れた宗田鰹を使用しているということで、みごとお探しの条件をクリアした商品だったのです。

土佐食商品ラインナップ

土佐食商品ラインナップ

弊社の製品をご紹介いたします。
商品に使用されている宗田鰹は全て、伝統的な一本釣り漁法で獲れた土佐清水産の宗田鰹です。そもそも宗田鰹は、関東ではおうどんやおそばなどの出汁としてしようされる宗田節の原料として主に使用されています。ちなみに宗田節の全国生産量の75%は、土佐清水市で造られているのですが、その宗田鰹の中でも、姫鰹スティックと言って、やわらかい食感を残したまま味付け調理された加工食品で、いわば鰹の珍味といった感じです。弊社ではその製品名を『姫かつお』と言いまして、しょうゆ味、しょうが味、塩味、辛みそ味、にんにく味の6種類を製造しております。そのまま召し上がっていただくことができますので、お子様のおやつとしても最適で、また鰹の珍味として酒のつまみにも愛称抜群です。サラダやその他の料理に気軽に使用していただくこともできますので、おかずとして、もう一品ほしい!というときにも助かります。

土佐食商品ラインナップ

また新商品としてご紹介したいのは、昨年、社長の野村が開発したばかりの『姫かつお飯』です。
こちらは、お好みの具材の大きさになるまで、袋ごともみほぐしていただき、2合の炊きたてご飯にまぜていただくだけという、かんたん調理食品です。こちらは関西風と関東風の2種類を用意しておりますので、味付けもお好みに合うものを選んでいただくことができます。オススメは、関西風です。先日も地元のスーパーで、営業の者が試食販売をさせていただいた所、たいへん好評でして1日で160パックを売り上げたほどです。
加えて、2009年の11月に姫鰹スティックはタレ(醤油)もパッケージもリニューアルをし、発売当初は高知県四万十市産の少し甘めの醤油を使用してタレを作っておりましたが、醤油の大量生産ができず、断念をしておりました。今回のリニューアルで小豆島産の少し甘めの醤油タレを作る事ができ、古くからの社員や地元の方に評判の良かった発売当初の醤油タレに近付ける事ができました。
新しい商品のカタログの最終打ち合わせも終わったところですので、皆様に便利にお買いものして頂けるようホームページなども徐々にリニューアルをする予定ですので、そちらも是非とも一度、ご来観ください。
  • 土佐食商品ラインナップ
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これからの『土佐食株式会社』

これからの『土佐食株式会社』

弊社の商品は、前社長であった平林と現社長である野村が、開発当時よりずっと土佐清水市でとれる材料にこだわった商品開発を継続してきましたが、ここにきて、それが報われて本当によかったなあ!と実感しております。
しかし、全国各地で様々な商品展示会などに参加すると痛感するのですが、まだまだ「姫鰹スティック」をご存じ無い方が多いです。 だから、いつも食べていただける「かっぱえびせん」の様ように、またはおつまみの定番であるイカのスルメやピーナッツに並ぶくらいに覚えていただけるよう、弊社ではこの「姫かつお(スティック)」を全国的にアピールしていこうと意気込んでおります。
現在、1本が100円と180円の大小2種類があります。高知県内では、日常的に子供から大人までが幅広く購入していただいております。
本州では、おつまみや珍味といった感覚でとらえられているのですが、子供のおやつとしても食べてほしいと考えているので、小さいサイズは100円均一ショップやドラッグストアなどにも置いていただき、近年ようやく本州の方へも流通量が増加しつつあります。
土佐食株式会社では、(高知県)土佐清水市の第3セクターなので、基本的には土佐清水市で獲れる物、そして市の魚である宗田鰹をメインにした商品開発をしていこう!というのがテーマにあります。なので、土佐清水市にまだ隠れた物が見つかれば、それを積極的に取り上げて商品開発をしていこうと考えております。

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