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風土美味お届け物語「漁の網を縫うへらから生まれた へらずし」財団法人 大月町ふるさと振興公社

財団法人 大月町ふるさと振興公社

「泣きよったら、ブリ食わせるぞ」というキャッチコピーに「それならずっと泣いておこうか」と思ってしまう美味しさ。大月町古満目地方に伝わる「鰤へらずし」。小さな漁師町から味が噂となり町内へ。さらに、高知県内への拡大中。

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今は昔、「泣きよったら、ブリ食わせるぞ」

今は昔、「泣きよったら、ブリ食わせるぞ」

 高知県最西端、美しい海、南国特有のそよ風吹く大月町は、昭和40年前半頃まで、ブリの豊漁でにぎわっていました。来る日も来る日も食卓にブリが並んでいたようで、「泣きよったら、ブリ食わせるぞ」と言うと子どもが泣きやんだという逸話も残っています。
 この鰤へらずしは、普通の食べ方に飽きた漁師料理が始まりと言われています。鰤の漁獲量は、だんだんと減ってきていますが、今でもこの地区のお祝いやお祭りには鰤へらずしを楽しみます。

漁の網を縫うへらから生まれた「へらずし」

漁の網を縫うへらから生まれた「へらずし」

やさしい桜色に染まった鰤にギュギュッと包まれた酢飯。古満目地区では、この形が、大敷漁の網を縫う道具「へら」の形に似ていることから「へらずし」と名付けられました。その形を意識してか、魚が口を開けたような横向きに盛りつけられます。一方、柏島に伝わる「ヘダずし」は、鰤の皮を残し、屋根のように盛りつけられています。

伝統の味と商品化のニーズの間で

伝統の味と商品化のニーズの間で

 小さな漁村の味を、商品化して町外に発信しようという動きが始まったのは2010年。それまでは、町内でも知らない人が多かった郷土料理で、親から子へ語り継がれる味であり、地区の人々の舌が覚えている味わいで、家庭ごとにその味付けもまちまちでした。
 つまり、商品化となるとレシピが必要になってきます。それぞれの家庭の味を再現しながら、同じ味わいを作り出すレシピを作るため、古満目地区の女性たちやスタッフの試行錯誤の日々が始まりました。

試行錯誤で進化する鰤へらずしの作り方

試行錯誤で進化する鰤へらずしの作り方

「へらずし」ができるまで。
① 一晩寝かした鰤に塩をまぶします。ここでは、最も脂ののる真ん中の部位しか使いません。
② 塩を洗い、特製の調味料に漬けます。漬け時間は、鰤の脂ののり加減によって微妙にかわってきます。
③ 自家製の酢飯と合わしていきます。

作り方は、お客様やバイヤーさんのアドバイスを聞きながら進化してきました。簡単なようですが、配合や処理法に譲れない部分もあります。例えば、血合はのける、鮮やかな色合いをだす工夫など、ニーズに応えることで、「本来の古満目」の味と違うという意見もでてきました。ニーズに応えながら故郷の味を再現するという、折衝を幾度も重ね、伝統の味に改善を加え出来上がった商品は、毎週水曜と土曜、「大月町の道の駅」に並ぶと数時間で売り切れるほど、町内外で反響がある名物となりました。

舌のうえでとろける鰤と甘酸っぱい酢飯のハーモニー

舌のうえでとろける鰤と甘酸っぱい酢飯のハーモニー

肉厚の鰤にかぶりつくと、舌の上で、トロのような甘みを持ちながらとけていき、甘酸っぱい酢飯がシャリシャリと後をつぐ、なんとも贅沢な味わいです。この味は、一度食べるとまた食べたいと思わす納得の美味しさ。
商品化して3年目。現在は、毎週2日(水曜・土曜)の午前中に、女性2人で作られている古満目の味は、町の味となり、高知の味となり、近い将来日本の味として世界に知られるようになるかもしれません。

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